2014年7月10日木曜日

ぼくはお金を使わずに生きることにした


ぼくはお金を使わずに生きることにした
著 マーク・ボイル
訳 吉田奈緒子
紀伊國屋書店

彼にとって持続可能な社会を突き詰めていくとお金の存在がジャマになった
現代においてお金を否定すること=社会を否定することになる
そう、彼は今の社会と決別したかったのかもなあ
「何かを変えたいならまず自分自身が変わらなければならない」
に基いている行動
星3つ
★ ★ ★☆ ☆

2014年6月9日月曜日

NATIONAL GEOGRAPHIC 日本語版


NATIONAL GEOGRAPHIC 日本語版
発行人 伊藤 達生
日経ナショナルジオグラフィック社
月刊誌

黄色い縁取りが目印
もともとは郵送のみの月刊誌でいまは書店でも購入出来るみたい
この誌は世界規模で発刊されていてその日本語版、それぞれの地域によって内容は若干ことなっているはず
僕との出会いは先輩の家に遊びに行った時に発見、以来20年以上の付き合いである

この誌のポイントは2つ
まず、写真が素晴らしい
世界のプロ中のプロが撮影しナショナルジオグラフィック社が厳選したもののみを掲載、カメラ好きにはたまらないと思う

もう1つのポイントは扱っている記事の内容
この誌に特集されてから数カ月後に社会に表面化しニュースなどに取り上げられることも結構多いのと、長期取材、生命や宇宙、歴史、紛争などについてまであつかっている
これはナショナルジオグラフィック財団の存在がかなり大きい

たまに付いてくる付録のポスターも魅力

個人的には最近のナショナルジオグラフィック写真のレベルが少しだけ落ちたかな〜と思う
ゆくゆくは英語版を全て揃えてみたいと思ってます
星4つ
★★★★☆

コーヒーの基礎知識

コーヒーの基礎知識
発行人 角 謙二
株式会社枻(えい)出版社

基礎知識と言うだけあって僕でもわかりやすい書
気になったのは写真の上に文字がのってるページがあり所によっては文字が読みにくい
ペーパードリップ、フレンチプレス、ネルドリップ、サイフォンの4種類の作り方を名店のスペシャリストとともに解説、お店のデータもきっちり載せている
全国お取り寄せビーンズショップガイドありこの部分はコピーしてデータを残す価値あり
まあまあ星3つ
★★★☆ ☆

2014年6月4日水曜日

サドゥ 小さなシヴァたち

サドゥ 小さなシヴァたち
写真・文 柴田 徹之
彩図社

この本は僕のバイブルだしサドゥは僕にとってのAKB!!
この本に出会ってなかったらインド・ネパールの旅も無かったし、今の僕を形成している一部かな
それくらい重要な本
サドゥとはヒンズー教の一宗派の人達の事
家を持たず一年中ヒンズー教エリアの聖地をぐるぐる旅をしながらシバ神に近づこうと修行をしている人達
ちなみにシバ神とはヒンズー教の三大神のうちの一人で破壊の神様
昔々、悪霊によって海の水が全て干上がってしまった
そこで修行僧バギラティは海を戻してもらおうとインドの山奥で何万年も修行をする
その山がタパバン、タポバン?発音が難しい
破壊神シバはバギラティの思いに答え地球に天の川を注ごうと考えるが、天の川をそのまま地球に注いでは地球が壊れてしまう
なのでシバは自分の体で天の川を受け止め自らの髭を伝わせてそっと地球に水を落とした
それがガンガー、ガンジス川である
シバは破壊神だけど優しい一面も持っている
そんなシバに憧れて少しでもシバに近づこうと修行してるのがサドゥ
カッコイイではないか!
ちなみにシバ神以外の神を信仰しているサドゥもいるがシバを信仰しているサドゥ(ババ)が断トツに硬派である
ヒンズーエリアでのサドゥの地位はかなり高くチャイ屋でお巡りさんがチャイをすすっている横で堂々と大麻を燻らす
インド内でもサドゥは大麻の喫煙が認められている
シバ系サドゥの最高位はナガババといい正装はなんと全裸
12年に一度の世界一のお祭りクンブメーラはインド・ネパールからガンジス川に全員集合し全裸で戦争ごっこをする
この本の写真でも分かるがサドゥはかなりオシャレ、この美的センスはかなりのもの
著者はラスタや中国の仙人の紀元はサドゥではないか?と推測しているが僕もそんな気がする
ガンジス川の辺りでヨガをきめるナガババサドゥ

現代の日本の社会とは別次元に生きるサドゥ
同じ地球でこんなにも違う生き方をしているサドゥに心底衝撃を受けたし
「自分の感性のまま生きて何か人生に行き詰まったらサドゥになればいいや」
と、”自分の自然体”で生きる支えが僕にとってのサドゥ
この本でサドゥを深く理解できた
この本に出会わなければサドゥはただの変人と誤認識したままだったのだから、、、
最高得点星5つ
★★★★★

世界の絶景・秘境100

世界の絶景・秘境100
発行者 深見 公子
成実堂出版

写真集に注釈とそこの場所に旅するための予算やルートを描いている
写真一枚一枚は美しいが、本のザイズが220x160mmと写真集としては小さいし、写真自体にツイッターみたいな形式でコメントが付いてるのが残念、せっかくの美しい写真が台無しである
自然の景色と人工物の景色もごちゃ混ぜでちょっとなーって感じ
評価出来るのは旅の情報だけなので星一つ
★☆☆☆☆

2014年5月31日土曜日

朝鮮戦争 金日成とマッカーサーの陰謀

朝鮮戦争 金日成とマッカーサーの陰謀
著 萩原 寮
文藝春秋

朝鮮戦争の末期にアメリカ軍が平壌を制圧した際、160万ページという膨大な文書を入手しワシントン米国国立公文書館に保存
30年の時を経て情報公開法に基づき公開され、著者が二年以上掛けて160万ページ全てを調べあげた当時の北朝鮮政府側から朝鮮戦争を描いた書である

まず、金日成は偽者だったことを明らかにしている
当時、朝鮮は日本の支配下にあり、それを嫌った少数の朝鮮人は中国やソ連に逃げ込んだ
後にソ連は日本支配下の朝鮮に進行し見事制圧に成功、日本軍を追い出した

ここでソ連とアメリカ軍で38度線を堺に朝鮮を分断し、いわいる北と南に分ける

ソ連に逃げ込んだ朝鮮人の一部はソ連軍に入りその一つに第八十八狙撃旅団というソ連人、中国人、朝鮮人の混成部隊があり、ソ連のスターリンはその旅団の朝鮮人の一人(キム・ソンジュ)を金日成として祭り上げ北朝鮮に戻した

面白いのは、偽者の金日成が初めて7万人の前で演説を行った際、
「え~~っ、こいつは金日成じゃねーよ、偽者だーっ」
ってブーイングがおこった部分だ
それもそのはず、本当の金日成は五十歳を超える白髪の外見のはずなのに出てきたのは三十歳くらいの”あんちゃん”だったからである
しかし時すでに遅くソ連の組み込んだ秘密警察システムがすでに北朝鮮には完成していてこの演説も結局最後には
「金日成マンセー」
の大合唱に聴衆は誘導されソ連コントロール下の偽金日成が北朝鮮を統治し始めるのである

やがて偽金日成は南に進行したがり、スターリンもそれを認めて周到な準備の末、実行
3日で南を制圧する作戦が、実は偽金日成の周りにはアメリカのスパイが55人も食い込んでいて3年も戦いは続き遂にはアメリカ軍に平壌を制圧されてしまうのであった

ここでもう一つ面白いのがマッカーサー率いるアメリカ軍はスパイを食い込ませていて偽金日成が南に進行してくるのを知っていてわざとやらせている所、アメリカ軍が北に入る理由を造ってる部分

偽金日成もマッカーサーも本当、陰謀好きだったんだな
それにしても本当の金日成はどこ行っちゃったんだろうねー、日本軍が斬っちまったのか?スターリンにぶっ殺されたのか?北朝鮮と中国の国境あたりで野垂れ死んだのか?空想の人物だったのか?これのどれかだとは思うけど....

補足情報:著者 萩原 寮氏は赤旗平壌特派員を1年経験、後フリーに転身

著者の精密な分析で当時のソ連と北朝鮮の関係が解ったので4点
★★★★☆



わが生地 わが故郷  陸海軍徴兵令施行さる

わが生地 わが故郷  陸海軍徴兵令施行さる
著 佐久間 豊吉 
渓声出版


佐久間豊吉が赤紙徴兵をうけてのWW2手記
東京で漁師だった佐久間が入隊し体験した事を超リアルに書いてる
そして何より僕の母方の祖父が佐久間の上司「中村軍曹」として何度か登場している僕にとっては特別な一冊
佐久間は日本軍隊の中のいじめ問題をことさら気に掛け改善に努めたり、戦中の剣術大会で優勝したりと精神、肉体、技術、思考全てにおいてリスペクト出来る人物である

世界や日本がだんだんと戦争に向かっているような今日日、近代史を学ぶ上での最初の書となったこの本を僕が読むのは必然であったと思えてならない
5点満点
★★★★★